Actions speak louder than words.

行動は言葉よりも雄弁

【読書記録】どこでも誰とでも働ける

どこでも誰とでも働ける

12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール

著者:尾原和啓

 

あらすじ

・教育がテクノロジーと出会うと

 

動画による学習サイト「カーン・アカデミー(Khan Academy)」ができる。

創設者のサルマン・カーンは「ビデオによる教育の再発明」と題されたTEDトークで、従来の学校の授業では、生徒は黙って先生の話を聞いているだけ。動画なら自宅で自分のペースで勉強できる。動画で予習してくれば、授業ではクラス全員でディスカッションしたり、生徒同士で教え合いながら問題を解くことができる。それこそ人間らしい学習方法である。

教師の仕事は「この問題は〇〇さんが詳しいから聞いてごらん。」と苦手な生徒の背中を押したり、得意な子には「~さんが困っているから教えてくれる?」と促したり、議論の方向がズレたときに軌道修正してあげること。

・生徒を勇気づけたり

・仲を上手く取り持ったり

・この人みたいになりたいとモデルを提供したり

これらは、人間にしかできないこと。1人ひとりと向き合う「人間らしい教育」の本質。

同じことを何度も繰り返したり、同じ場所に長時間座っていたり、誰かに何かをするように強制されたりすることは、本来人間が得意なことではない。

自分の好きなこと、やりたいこと、得意なことを仕事にできれば、その方がずっと楽しいし、他人と似違いも際立つ。他人とは違う自分の「好き」を極めることで、それぞれの個性が花開き、多様性が広がる。

「自分の”好き”を市場にさらして、価値を見極める」

”好き”が世の中に対してどれくらいの力をもつのか見極める必要がある。積極的に人目にさらして、どんどんフィードバックをもらう。壁を作らない。

 

・三木谷曲線

努力と仕事の結果は比例ではない。

最初のうちはいくら努力してもなかなか結果に結びつかない。他の人も同じように努力していて差がつきにくいから。諦めずに努力を続けると、あるレベルを超えた瞬間、急激に伸びる。たいていの人はそこまで努力できない。

「1日1%の改善」1%だけ上乗せするのは難易度は高くない。毎日さぼらずそれを続けるだけ。

誰かに強制されたわけでもないのに、楽しいとやり続ける。どんどん得意になる。得意になるとそれをやるのが苦ではなくなる。自分は楽しているのに、まわりから有難がられる。

99.5%努力して、さいごの 0.5%を諦めてしまう。最後の最後まで粘って努力した人だけが、結果をごっそり独り占めできる。

0から80に上げるのと、80を90に上げるのは、後者の方が大変。90を95に上げるのはもっと大変。だからたいていの人は80くらいで満足してしまう。それではいつまでたっても人並みで、永遠に差別化できない。ほとんどの人が手間暇かけて80を90にするよりも、別の分野で手っ取り早く80をとろうとする。だからこそ、非効率だとわかっていても80を90に、90を100に近づける努力を重ねる。そこまでやった人だけがライバルに圧倒的な差をつけることができる。

 

ハッカーのように課題を発見し、解決を楽しむ思考法

自分の「好き」をとことん突き詰める。これに加えて求められるのは、何が世の中の問題となっているのか、解決すべき課題は何か発見する力。すでに認識されている課題を解決する部分はAIができる。「会社のここに問題がある」「この部分が社会の発展を妨げている」という部分を見つけるのは人間にしかできない。

エンジニアに1番大切な資質は、問題発見能力。自ら解決可能な最大の課題を設定し、それを最後までやり抜く能力。ハッカーは課題を発見して、そのうまい解き方を見つけたら、それを「おもしろいでしょ?」と言ってみんなに広めるのが生きがい。取り組む価値のある難易度の高い”いい課題”を発見すると「おもしろそう!」と仲間が集まってきて世の中を変える解決策を生み出していく。

課題を発見し、ビジネスチャンスにつなげるコツは、世の中の人がやってはいけないと勝手に思い込んでいることの「隙間を突く」。

そのときのその場の状況に応じて臨機応変に「それってこういうことだよね」と、そもそもの本質に立ち返って考える力のこと。→ストリートスマート

本に書いてあるようなお勉強ができる賢さ→ブックスマート

今いる会社の中で、当たり前すぎてだれも口に出さないような「暗黙の了解」や「職場のルール」を疑ってみると、思わぬ切り口が見つかる可能性がある。上から降ってきた「数値目標」もそれが意味するところを掘り下げてみると別の説明が成り立つかもしれない。そうした発見が組織やルールを変える突破口になるかもしれない。

 

・自己開示

自分の弱みをさらけ出せるかどうか。相手の話を引き出すには、まず自分のて手の内を 見せること。中でも自分の失敗談や欠点を先にオープンすれば、相手の警戒心を解ける。「愛嬌があること」も大事。

 

・コミットメント

自分事化する。結果を客観的な数字で受け止め、そこから逃げない。最後まで自分の責任でやり遂げる人は信頼され、好かれる。

 

 

読んだ感想

すべて教師が段取りして、生徒がただ聞いているだけの授業ではダメな時代になっていることはとてもよくわかる。しかし、他のクラスと足並みをそろえて授業をしなければならないので自分のオリジナル性が出せない。自分が得意とすること、やりたいことを授業で取り入れていきたいのになかなかそれが実行できない。せめてHRだけでも、自分が好きだな、やりたいなと思うことを少しでも多く実践していきたい。

たいていの人がやりたがらない80を90にする努力をさぼってきた気がする。いろんな分野で80をとれるレベルまで上げる方が楽というのは少しわかる。手を広げすぎるのもちょっと考えないと。しかし、自分にとってどれが一番向いているのか、一番好きなのかを見極めるためにもある程度手は広げないと比較対象がなくなってしまう。だから、これだと決めたら、その後は広げすぎずにレベルを上げることに集中するべきなんだろうな。

自分の失敗談は先に相手に開示する。これは生徒を相手にするときもそうだし、大人同士の関わりでも必要なこと。自分との対話でもあり、相手との対話でもある。自分だけが自分のことを話しすぎるのも、相手のことを知れないから、質問していく必要があるんだよな。もっと頭を使って、適当な相槌ではなく、相手の話を広げる深める質問ができるように、今はもっとハブルータを練習しよう。