Actions speak louder than words.

行動は言葉よりも雄弁

【タルムード】土地は神が与えたもうもの

内容

信仰厚く慈悲深い農夫が住んでいた。彼は大きな農村を営んでいる。

彼は毎日の祈りを欠かさず、毎年訪れるラビたちにも献金や寄付など惜しみなく慈悲を施した。彼は貧しい人、病気の人、年老いた人にもできる限りの恵みを与えた。

そんなある日、大きな嵐が襲い、彼の農園は全滅してしまった。さらに伝染病が流行り、家畜もすべて死んでしまった。

今までに彼に投資していた債権者も、これを見て家や家財などありとあらゆる財産を差し押さえてしまった。もはや彼には小さな土地しか残っていない。

しかし、農夫は動揺することなく「神が与えてくださり神が奪ったのだから、仕方がないことだ。」と恨み言ひとつ言わず「また1から頑張ればいい」と朝早くから働いた。

その年もいつものようにラビたちがやってきた。彼らは農夫の没落ぶりに、「あれほど豊かだったのに」と同情した。農夫は「今年はたくさんの献金ができない。どうすればいいだろう。」とラビたちを手ぶらで帰すことを申し訳ないと思った。

そこで、最後に残った小さな土地を半分売って作ったお金を献金することにした。その思いもよらない献金に農夫の信仰の深さを感じ、ラビたちは感激した。

ラビたちが去った後、農夫は残った小さな土地を牛を使って耕していると、突然牛が泥の中に倒れこんだ。牛はずんずん泥の中に沈んでいく。農夫はあわてて牛を掘り出そうとした。すると泥の中から大量の金貨が出てきたのである。農夫はそのお金で昔のように大きな農園を手に入れた。

次の年にまたラビたちがやってきた。ラビたちはあの農夫は変わらず貧しい生活をしているのだろう、と思っていた。しかし彼が大きな農園を経営していて驚いた。

農夫はラビたちに、自分に起こった不思議な出来事を話した。それを聞いたラビは農夫にこう言った。

「惜しみなく与えれば、必ずそれは戻ってきます。」

 

「いつどうなるか分からない。だからこそ善い行いをするべき。」

これを読んであなたはどう考えるか?

「与えれば成功する」「良いことをしなさい」ということではなく、いつどうなるかわからないから、日頃から良い行いを続けていくべき。

今の生活がひょんなことから崩れ落ちることがある。そんなときにいつも自分勝手にしていた人間は、周りから「日頃の行いが悪いからだ」と思われ、誰も手を貸してくれない。しかし日頃から人を助け、手を貸していれば、あなたが困ったときに周りは必ず手を貸してくれる。

あなたの行いは周りの人が良く見ているのです。今できるうちに周りを助ける。

情けは人の為ならず。