タルムード
人にお金を恵むときは全員に配った方が良い。 もらった人が恵んでもらったという惨めな気持ちにならないで済むからだ。 しかしどうしても一人の人にお金を恵む時は、むしろその人にお金を貸す形を取った方が良い。 貸し借りは対等だから、借りた方が惨めにな…
ある夫婦がケンカをした後ラビを訪ねました。 ラビは2人を離して話を聞くべきだと思いました。 夫と妻を一緒に座らせると、お互いに自分が正しいと言い合い、大声で喧嘩をしそうだったからです。 ラビはまず、夫の話を聞きました。 ラビは夫の言うことすべて…
ある村の1人の女性が1人の子どもをめぐって喧嘩をしていました。 お互い自分が子どもの本当の母親だと言い張っています。 争いが続き2人の女性はソロモン王を訪ねることにしました。 「あの女が私の子どもを奪っていきました!」 「いいえ!いいえ!あの…
ある商人が町で商売をしていました。商売がうまくいき金貨がたくさんできたので商人は心配になりました。金貨を持ち歩くと盗まれるかもしれないからです。 彼はよく考えて金貨を地面に埋めることにしました。彼は誰もいないところに行き金貨を袋に入れて、地…
不満の多い農夫が賢いラビを探しに行きました。 「家が狭すぎて住めません。どうしたらよいでしょうか?」 ラビはじっくり考えて答えました。 「1匹のヤギを家に入れて一緒に暮らしてみてください。」 農夫は家に帰って部屋にヤギを入れました。 そうすると…
年を取ると学ぶことは難しいと言いますが、ユダヤ人にはそんなことは通用しません。 人間はどんなに年をとっても学ばなければなりません。 学ぶことだけが若さを取り戻す道なのです。 青春は年齢だけでなく心の姿勢を表す言葉でもあります。 学ぼうとする気…
あるところに善良な農家の兄弟が住んでいました。兄は結婚して子どもが生まれ、弟は まだ独り身でした。父がなくなり兄弟は財産を相続しました。 2人は一生懸命農作業をしてりんごとトウモロコシを収穫しました。 彼らはそれをに半分ずつに分けて、それぞれ…
ある村にラビと息子が住んでいました。 ラビの息子は神様にとても会いたがっていて、家に訪ねてきてほしいと毎日祈っていました。 ある日誰かがラビの家のドアを叩きました。 「ついに神様が私を訪ねてきたのかな?」 期待に満ちた息子がいち早く走ってドア…
内容 あるところにとても怖がりで情けないほど意気地のない男がいました。 男は機織りの仕事をしていましたがその材料である葦が風に揺れる音でさえも驚いてしまうような意気地なしです。 ある日男が飼っていたロバの姿がなくどこを探しても見つかりません。…
内容 昔ある国の王様が後継者選びに頭を悩ませていました。 王様には2人の息子がいます。 どちらが後継者にふさわしいのか、王様は2人の息子に競争をさせます。 息子たちよ、よく聞きなさい。これより馬に乗ってエルサレムを1周し、城まで戻るのだ。 この競…
内容 ある人が、市場で上着を1枚買った。 家に帰って、その服を着てみるとポケットから宝石が出てきた。 その瞬間、その人の脳裏には2つの思いが湧いてきた。 「私が買った上着のポケットにあった宝石なんだから自分のものにしてもいいのではないか? そも…
内容 あるところに、とても性格の悪い王様がいました。 「この国は全て私のものだ!海の魚も、山のシイタケも全部私のものだ!」 民たちは魚を捕まえる時も、山のシイタケを捕る時も王様の許可を得ないといけなかったのです。 「なんてこった!魚を1匹も捕れ…
内容 二人のラビが旅をしていた。 ある村にたどり着き、村人にこう尋ねた。 「この村を守っている人はどなたですか?」 ある村人は警察署長を連れてきた。 「エッヘン。ワシがこの村を守る警察署長だ!」 ラビたちは首を横に振った。 ある村人は警備隊長を連…
内容 ある村に勉強熱心な青年がいた。 そこへ預言者エリジャが現れて、その青年に「何か願いはあるか?」と聞いた。その青年は「勉強して知識を持ちたい。」とエリジャに言った。エリジャは彼に大量の本を与えた。 3年後エリジャが乞食の格好をしてこの青年…
内容 むかし、偉大な王が、知恵と正義でアフガニスタン治めていた。王は狩りと旅が好きで、深い森や砂漠へ長旅をした。 ある日、広大な砂漠を旅していた王は、ふと、美しい笛の音を耳にした。笛の音のする方に馬を進めると、羊飼いが丘の上に腰を下ろして笛…
内容 賢者ラバン・ガマリエル・ハザケンは、祖父ののラビ・ヒレルのあとを継いで、1世紀半ばののエルサレムで、ユダヤ教の長老をつとめた。ラバンの称号で呼ばれた最初の人で、ユダヤ人ばかりか、キリスト教徒のあいだでもたいへん尊敬されていた。ラバン・…
内容 この世で1番聡明な知恵者ソロモン王は、宮殿の庭にあるイチジクの木陰で、午睡を取ることにしていた。あくびをするソロモン王のそばで、2人の護衛が扇をあおいでハエを追いはらった。 「もうじき、ソロモン王は昼寝をはじめられる」と、護衛たちは思っ…
内容 1867年、フランツ・ヨーゼフはオーストリアの皇帝にして、ハンガリーの国王になった。ヨーゼフ皇帝の時代はユダヤ人の民にとっておだやかなよき日々で、帝国に住むユダヤ人たちは皇帝を「いと賛美されし御方」とたたえた。 ヨーゼフ皇帝は、ユダヤ人た…
内容 賢者たちは、ユダヤ教の教えを物語やたとえ話や説話にして、弟子たちに伝えてきた。そういう伝承説話をアガダと言う。賢者ラビ・メイールはキツネの出てくるアガダを語るのが得意で、その数は300ともいわれている。つぎの話は、そのうちの1つである。 …
内容 モロッコのある町に、貧しいユダヤ人の一家が住んでいた。きびしいどん底の暮らしで、夜明けまえから、日が暮れて星がまたたくころまで働いても、ほんのわずかしかかせげなかった。少しばかりの干からびたパンと水で日々をしのぎ、運がよければ、たまに…
内容 シュムエル裁判官の名声は、スペインじゅうにとどろきわたっていた。シュムエル裁判官は、剣のように鋭い知恵と、罪人の魂までも射抜いてしまうまなざしで、あらゆる秘密をあばくといわれていた。 シュムエル裁判官の友人に、ヤコブと言う仲買人がいた…
内容 パレスチナのアシュケロンに、ダマ・ベン・ネティナという人がいた。ダマとその家族は、宝石を売り買いしたり、羊や牛を飼ったりしていて、暮らしは豊かだった。ダマ一家はユダヤ教徒ではなかった。 神殿がエルサレムにまだあったころ、大祭司は、特別…
内容 むかし、モロッコに、新しいものやめずらしいものが好きな王がいた。王は毎日のように、「風変わりなものを探してまいれ」と従臣に命じた。王は奇妙で変わったものなら、なんでも気に入って愉快になった。王宮には、頭が2つある子牛や羽が3つの方向に生…
内容 昔、ガリラヤに、心優しいラブ・ハニナ・ベン・ドサが妻と暮らしていた。 夫婦は貧しくて、粉がなくてパンも焼けないほど、暮らしに困っていた。 あるとき、妻が言った。 「こんなひもじい暮らしは、もう、うんざり!」 ハニナはため息をついて、妻をな…
内容 山奥の、あるユダヤ人の村で、ラビが亡くなった。村人たちはラビを弔い、喪が明けると、村に来てくれそうな新しいラビを探しに、村の長老たちは近くの町に出かけた。あちこち探し回ったすえに、ある若いラビが、「行きましょう」といってくれた。長老た…
内容 むかし、オフィールの国に、アノンと言う名の若者がいた。アノンは好奇心が強くて、空想にふけってばかりいた。 ある夕べのことだった。アノンは村の広場の石造りのベンチに腰を下ろして、村の長老から話を聞いた。エデンの園と、そこにあるふしぎな知…
内容 ラクダに乗った旅人が、たった1人で砂漠を旅していた。 旅人は疲れきり、その上、飢えと渇きに苦しめられていた。背負っていた食べ物はすでにつき、革袋の水もとっくになくなっていた。 砂漠は果てしなく、木の陰ひとつ見当たらない。 と、遠くに木が1…
内容 きびしい寒さのつづく、冬のある日のことだった。ブドウ酒で心地よくなった王さまは、もっとも信頼している側近に声をかけた。 「この国は、いま寒波に襲われている。この雪と寒さを人民がどのようにしのいでいるか、見てまわろうではないか」 「町の通…
内容 ある町で、トヴィヤという男が、家で学問に励んでいた。あるとき、通りかかった子どもたちの一団が、トヴィヤの家のまえでさわぎだした。子どもたちの甲高い声がうるさくて、学問に集中できなくなったトヴィヤは、窓から顔をつきだして叫んだ。 「子ど…
内容 「クンツを羊の群れに放っておけ」ということわざがある。 どうして、クンツが羊の群れに放っておかれることになったのか、そのわけをお話ししよう。 むかしむかし、偉大な王さまがいた。王さまには相談役が何人もいて、クンツはその相談役の1人だった…