タルムード
内容 鳥が1羽、絶海の孤島に巣をつくった。鳥はたまごを3つ抱いてあたため、やがて3羽のヒナがかえった。 しばらくすると高潮になり、波が島に押し寄せてきた。このままでは、ヒナのいる巣があぶない。ヒナを安全な場所につれていこうと、鳥はきめた。 鳥…
内容 むかし、偉大にして賢いソロモン王は、神の助けを得て魔神の王アスモダイをつかまえ、びんにつめて海に捨てた。 それから、長い時がすぎた。 あるとき、貧しい男が海辺を通りかかった。男はお腹をすかせていて、なんでもいいから食べるものはないか、と…
内容 クルディスタンのディヤルバクルという町に、腕のたつ産婆(助産師)がいた。その家の女たちは代々、産婆業を務めてきた。いまの産婆も長年経験をつみ、仕事熱心でもあったので、そのあたりでは「黄金の腕」の主として知られていた。誰もがーユダヤ教徒…
内容 ある国の王女が鳥を飼っていた。その鳥は、訓練すれば人間のことばをしゃべることができたので、王女は鳥を自分の命のように大切にしてかわいがり、毎朝のように、鳥かごのそばで冗談を言いあって楽しんだ。だが、鳥は、王女とのおしゃべりなんて、なん…
ある婦人がラビ・ヨシにたずねた。「なぜ神はかしこい者に知恵を与えて、なぜおろか者に知恵を与えないのですか?」「そうだね。たとえば、金持ちと貧乏人がお金を借りにきたとしよう。あなただったら、どちらに貸すかね?」「もちろん、金持ちに貸します。…
内容 砂漠の遊牧民ベドウィンのある男は、羊を1匹だけもっていた。ベドウィンの男はその羊を大事に世話し、家族のように慈しんで、昼であろうと夜であろうと、そばを離れなかった。そして、羊の毛から作った布まとい、羊の乳を飲んで暮らしていた。羊を盗み…
内容 人々が木の船に乗って川を渡っていました。 向かいの岸に到着するにはもうちょっと時間がかかりそうです。突然1人の男が船の床に穴を開けはじめました。人々は驚いて男を止めました。 「あなたは今何をしているんですか?」 「船に穴を開けたらどうなる…
内容 ある所に住んでいた1人の男のもとへ、王様の家来が突然訪れました。そうして男にこう言いました。 「王様がお前を宮殿に連れてくるように、と命じられた。」 男は恐れおののきました。 「王様がなぜ私を宮殿に呼んでいるのでしょうか?」 「それは私も…
内容 ある所に結婚10年目の夫婦がいました。この夫婦は仲がとても良く、周囲の人々も幸福な夫婦だと思っていました。ところが、ある日夫がラビを訪問し、「妻と離婚させてくほしい。」と訴えてきました。 なぜ離婚を願うのかを訪ねたところ、妻が子どもを産…
内容 大きな船が航海をしていました。船にはラビが1人、たくさんの財宝を持っているお金持ち3人が一緒に乗っていました。お金持ちは互いに自分が「いかに多くの財産を持っているか」を自慢し合っていました。 「私はこんなに宝石をたくさんもっている!」 「…
内容 あるところに、おしゃべり&大ほら吹きの女性が住んでいました。村人はその女性のおしゃべりとほら吹きにうんざりして、ラビの元を訪ねました。 人々はこの女性によって、自分たちがどれほど迷惑を受けているかをそれぞれ訴えました。 「あの女性は、ア…
内容 ある男性が、わき目もふらずに道を急いで歩いていました。 通りかかったラビがその男性に声をかけました。 「あなたはどうしてそんなに急いでいるのですか?」 男性は答えました。 「人生に追いつこうとしているんです。私が急いでいるのがどうしてわか…
内容 ある男がハンマーが必要になり、隣の家に尋ねていった。「あなたの家のハンマーを貸してくれませんか?」 しかし、隣の家の男はすぐにそれを断った。「嫌です。私もハンマーが必要なんです。」 数日が過ぎました。隣の家の男が訪ねてきました。「あなた…
内容 人々から尊敬をされる立派なラビがいた。彼は神を敬い、一匹のアリも殺さないように気を付けて歩き、神の創造物を壊さないように慎重に生活してきた。それゆえに人々は彼を尊敬し、従っていた。 ラビは歳をとり、健康を害するようになった。そして死の…
内容 ある町で、商人が大声で叫んでいました。 「世の中を上手に生きていくための秘訣を売ります!この素晴らしい秘訣を買ってください!」 通行人は足を止めて、口々に言いました。 「何だって?何を売るって?」 「世の中を上手に生きていくための秘訣を売…
内容 ある商人が町を歩きながら大声で叫んでいます。 「人生を幸福にするための秘訣を売ります!」 人生を幸福にすると聞いた途端、多くの人がすぐに集まってきました。 「どうかその秘訣を私に教えてください!」 人々は争いながら、その商人を取り囲みまし…
内容 ある村で農夫が畑で一生懸命仕事をしていました。ある旅人がこの村に立ち寄り、農夫にこう尋ねました。「この村にはどんな人たちが住んでいますか?」 農夫は答える代わりに、こう聞き返しました。「あなたが住んでいた村には、どんな人たちが住んでい…
内容 あるお店に、2人の人がいました。1人はあなたととても仲の良い友人で、もう1人はあなたの恩讐でした。 友人はロバから荷物を下ろしていて、恩讐はロバに荷物を積んでいました。 もし1人を選ぶなら、あなたはどちらを助けますか? 友人はいつでもあなた…
内容 流行病のうわさが、ある町で広まった。町長はそのうわさを聞きつけ、疫病神に出頭を命じて話し合いをもった。 「疫病神よ、おまえはこの町で犠牲者をどのくらいだすつもりなのか?」 「500人といっておこう。それ以上は、断じて殺したりしないよ」 …
内容 むかしむかし、ヒツジとヤギがいた。ヒツジはヤギが大好きで、ヤギもヒツジが大好きだった。ある日、ヒツジがヤギにいった。 「ねえ、いっしょに家を建てようよ。もうじき雨の季節になるっていうのに、雨をしのぐ屋根さえないんだもの」 ヤギはヒツジの…
内容 あるとき、屠殺業者のところに子牛が持ち込まれた。子牛の肉は固いが脂身が少なく好まれる。 子牛は殺されて肉にされることがわかって、隙を見て逃げ出した。業者は追いかけたが、子牛はラビの門の前に来て助けを求めた。 「助けてください。首を切られ…
内容 「2+2はいくつ?」と息子が父親に聞いた。 そこで父親は聞き返した。 「それは、売るときの話かい?それとも買うときの話かね?」 つまり、 買い付けるときは値段を叩いて買うから、2+2は3にも2にもなる。 逆に売る際は、利益をなるべく多く確…
内容 むかし、イスラエルのアッコの町に、ナダブ(施しという意味)という名の、情けぶかい人が住んでいた。ナダブは、貧しい人たちを友人のように自宅に招いては、食べものを分けあって暮らしていた。 だが、長い年月そうしているうちに、ナダブは財産をす…
内容① ユダヤ人のサムとマックスはそれぞれの道を隔てて、散髪屋を開店し、どちらも大きく派手な看板を掲げていた。 サムの方は「散髪代はわずか7ドル!」 それに対抗して向かいのマックスは次のような看板を掲げた。 「7ドルの散髪をきれいに手直しします!…
内容 これは、アラブの男の話である。アラブの男は、抜き身の剣のを手にした男の夢を見た。 ぎらりと光る剣を目にして、アラブの男は恐ろしさのあまりちぢみあがった。だが、勇気をふりしぼって聞いた。 「どちらさまですか?」 「死神だ。おまえがこの世を…
内容 年を取ったユダヤ人が高級レストランで食事を取っていた。スープを頼んだところ、1分もたたないうちに出されたが、老人はそれを運んだウエイターを呼び、そのスープを飲んでみろと言った。 ウエイターは何が悪いんですか?と聞くが、答えずに再度スープ…
内容 ある日、キツネは袋を持って、クルミ林に出かけていった。なんのためにかって?もちろん、クルミをとりに。するとむこうから、近くの穴に住むクマが、同じように袋を持ってやってくるのが見えた。 「ここは、おれのクルミ林だぞ!」クマは大声で宣言し…
内容 中世ヨーロッパでユダヤ人占星術師が、国王の愛人が近く他界すると予言したところ、その通りとなった。怒った国王は、この星占いが彼女の死を招いたと信じ、彼を呼びつけて命じた。 「お前が死ぬのはいつなのか、予言しろ!」 占星術師は、どんな返事を…
内容 20世紀初頭の帝政ロシア時代に、ユダヤ人の老人が汽車に乗って1人で個室にいたところ、ロシア軍のいかめしい将校が来てとなりに座った。 するとその将校は老人の襟を掴むなり聞いた。 「ユダヤ人は、他の人たちよりもなぜ賢いんだ?」 老人はしばらく考…
内容 むかし、ある山にキツネとオオカミがいた。あるとき、2匹は森でばったり出くわした。 「おまえさんは、なにをして暮らしてるんだね?」オオカミがキツネにたずねた。 「ヒツジの毛から布を織って、スーツを仕立てております」キツネは答えた。 「それは…