内容
あるとき、屠殺業者のところに子牛が持ち込まれた。子牛の肉は固いが脂身が少なく好まれる。
子牛は殺されて肉にされることがわかって、隙を見て逃げ出した。業者は追いかけたが、子牛はラビの門の前に来て助けを求めた。
「助けてください。首を切られて食肉にされそうです。高名なラビ様、この哀れな子牛である私を助けてください。」と子牛はラビに嘆願した。
そこで業者がやっと追いついてドンドンとラビの家の扉を叩き、逃げた子牛を渡せと迫った。
ラビはそこで子牛に聞いた。「お前は本当に屠殺業者のところから逃げてきたのか？」子牛は答えた。「はい。私はまだ子どもです。なんとか助けてください。」
別の日にラビの家の家政婦さんが掃除をしていたら、生まれたばかりのイタチの子どもが部屋のタンスの中に隠れていた。家政婦さんはフンでもされたら臭いので、その子どもをほうきで掃きだし、窓の外へ放り出そうとした。それを知ったイタチの子どもはラビに嘆願した。「先生、私はまだ子どもです。なんとか助けてください。」
さて、ラビはどうしたか？
A.子牛の子もイタチの子も助けた
B.子牛の子は助けたが、イタチの子は助けなかった
C.子牛の子は助けなかったが、イタチの子は助けた
D.両方とも助けなかった
Cだったらしい。
どこに動物に対する慈愛の境界があったのか
正義とは何か？情けとは何か？その境界は？
子牛に対する慈愛よりも重要なものは何だったのか？
その理由は何なのか？
子牛は、屠殺業者のところに持ち込まれたから、子どもであってもいずれは食肉になる運命だったということなのだろうか。イタチは迷い込んだだけで、まだ死ぬ運命ではないということ？
これは難しい。
