内容
流行病のうわさが、ある町で広まった。町長はそのうわさを聞きつけ、疫病神に出頭を命じて話し合いをもった。
「疫病神よ、おまえはこの町で犠牲者をどのくらいだすつもりなのか?」
「500人といっておこう。それ以上は、断じて殺したりしないよ」
「わかった。約束を守って、いまいった数以上には手をださないでくれ」
「わが名にかけて。なんだったら宣誓書に署名してもいいぞ」
ところが、さほど日がたたないうちに、死者の数は500人の倍、1000人を超えていることがわかった。町長は激怒して疫病神を呼びつけ、どういうわけだと問いつめた。
「町長」と疫病神はいった。「誓ってもいいが、最初に約束したとおり、おれは、死の宣告を500人にしかしなかった」
「だったら、なぜ、こんなにたくさんの死者がでたんだ?いったい、なぜだ?」
「おれの手、つまり、流行病で死んだんじゃない。やつらが死んだのは、恐怖のせいだ」
恐怖で死ぬとはどういうことか?
流行病で死ぬ人が増えていく様子を知り、その恐怖で死ぬ人がいるということなのか?
実際に感染して死ぬのではなく、直接的ではなく、その感染が影響して死に至る人がいるということなのだろうか。
コロナの直接感染して死ぬのではなく、コロナの影響を受けて、社会的に誹謗中傷をあびて亡くなった人や、職を失って生活できなくなった人たちのことをさすのか?