内容
年を取ったユダヤ人が高級レストランで食事を取っていた。スープを頼んだところ、1分もたたないうちに出されたが、老人はそれを運んだウエイターを呼び、そのスープを飲んでみろと言った。
ウエイターは何が悪いんですか?と聞くが、答えずに再度スープを飲むように言う。
スープが冷たすぎたのか、あるいは髪の毛でも入っているのかと聞くと、それでも老人はしつこくスープを飲めと言い張るのだ。
しびれを切らしたウエイターはついに折れて、スープを試すことにした。
そこでテーブルの上を見わたして尋ねた。「スプーンはどこでしょうか?」
そこで老人は叫んだ。「ほら!やっとわかりましたかね!」
物事を容易く教えない
はじめから「スプーンをください」といえば簡単なのに、それをすぐに言わず、遠回しに言うところが理屈っぽいユダヤ人の気質をあらわしている。
老人は、ウエイターにお腹が空いている人がスープを前にしてスプーンがないとどんな気持ちになるのかを、高圧的な言動ではなく、ユーモアを通じて教えたかったのである。
また、今後の客に対して、スプーンを忘れないようにとも諭している。
いきなり結論を言わずに、相手に考えさせながら、おもむろにオチを言う。