内容
人々から尊敬をされる立派なラビがいた。彼は神を敬い、一匹のアリも殺さないように気を付けて歩き、神の創造物を壊さないように慎重に生活してきた。それゆえに人々は彼を尊敬し、従っていた。
ラビは歳をとり、健康を害するようになった。そして死のときが近づいてきた。臨終が近づくと、彼の弟子たちがベッドの周りに集まった。そうするとラビが涙を流した。
「先生！どうしたんですか？先生は1日も休まずに勉強をし、私たちに多くのことを教えてくださいました。先生はこの国で最も尊敬を受ける立派な方です。神を敬い、万物を大切にしてきました。
また、先生は政治のような汚い世界にも1度も足を踏み入れることなく生きてこられました。どうして涙を流されるのでしょうか？」
ラビはこう言った。
「だから泣いているんだ。私は最後の瞬間に、『あなたはたくさん学んだだろうか？神に祈祷をしただろうか？正しい行いをしたのだろうか？』と尋ねられたならば、そうだと答えることができる。
しかし、『あなたは一般の人々の普通の生活にどれだけ影響を与えることができたのか？』と尋ねられたならば、いいえと答えるしかない。それで涙を流しているんだ。」
自分を知ることが最大の知恵である
自分がどんな人間なのが、何が得意で、何が好きで、どんなことを周りの人にしてあげられるのかを知ることは大事である。
社会の中で生きていくためには、自分のためだけに生きるのではなく、周りや社会のために自分ができることを日頃から意識して行動していく必要がある。
