内容
ある所に結婚10年目の夫婦がいました。この夫婦は仲がとても良く、周囲の人々も幸福な夫婦だと思っていました。ところが、ある日夫がラビを訪問し、「妻と離婚させてくほしい。」と訴えてきました。
なぜ離婚を願うのかを訪ねたところ、妻が子どもを産めないため夫の家族たちが離婚を要求している、とのことでした。
ユダヤの伝統によれば、結婚をして10年経っても子どもができなければ男性は離婚を要求できるとのことでした。
しかし夫はラビにこう言いました。
「私は妻を愛しています。本当は離婚をしたくありません。しかし家族の圧力がとても強くて、どうすればいいかわかりません。」
ラビは解決策を持っていました。夫にこう言いました。
「妻のために盛大なパーティーを開きなさい。そして招待したお客へ、妻がどれほど素晴らしい女性なのかを誇らしく伝えなさい。」
ラビの言葉を聞いた夫はとても満足しました。夫は妻が嫌で別れるのではないということを人々へ伝えたかったのです。ラビはまたこう言いました。
「妻と別れるときにどんな贈り物をしたいですか？」
夫は妻が長い間大切にできるような贈り物をあげたいと言いました。
ラビは妻を呼んで、夫が妻に何か贈り物をしたいと考えていることを伝えました。そして贈り物を１つ考えるように言いました。
ついにパーティーが開かれました。夫は妻に尋ねました。
「私が持っている物の中で何か欲しいものがあれば１つあげましょう。それが何であってもあなたにあげます。」
妻は最もほしいものは「夫だ」と答えました。
この言葉を聞いた夫はもちろん、その場にいたすべての人々は感動して涙ぐみました。そうして彼らは離婚を取り消して、その後も幸福に暮らしました。
対立を恐れるな。進歩は対立から生まれる
家族や周りの人の意見も大切にするべきであるが、自分の気持ちも大事にする。意見が対立するということはそれぞれの主張があるからである。そこはしっかりとなぜ自分がそう思うのかを考えておかないとただ流されるだけになってしまう。
