内容
20世紀初頭の帝政ロシア時代に、ユダヤ人の老人が汽車に乗って1人で個室にいたところ、ロシア軍のいかめしい将校が来てとなりに座った。
するとその将校は老人の襟を掴むなり聞いた。
「ユダヤ人は、他の人たちよりもなぜ賢いんだ?」
老人はしばらく考えた末、答えた。「それは酢漬けのニシンを食べるからです。」
老人がかばんからニシンを取り出して食べ始めるのを見て、将校は尋ねた。
「ニシンはあと何匹残っているんだ?」
「12匹あります。」
「それを分けてくれ。いくらだ?」
「12ルーブルいただきます。」
これは当時として大金だが、将校はその金を差し出して、早速ニシンを食べ始めた。
ところが、突然食べるのをやめて怒鳴り出した。
「よくも騙したな!モスクワじゃこんな代物なら、1カペイカ(1ルーブルの10分の1)もしないぞ!」
老人は答えた。
「ほらご覧なさい。言った通りに効果が出ているではありませんか!」