あるところに善良な農家の兄弟が住んでいました。兄は結婚して子どもが生まれ、弟は
まだ独り身でした。父がなくなり兄弟は財産を相続しました。
2人は一生懸命農作業をしてりんごとトウモロコシを収穫しました。
彼らはそれをに半分ずつに分けて、それぞれの倉庫に入れました。
ところが弟はふと思ったのです。兄さんには妻と子どももいるから、私よりも生活が大変だろう。私の分を少し持っていってあげよう。
弟は夜になるとこっそりと兄の倉庫にたくさんの穀物を持っていきました。
兄は兄でこんなことを考えました。私は何の心配もないが、弟はまだ結婚もしていないからお金が必要だ。
そして兄も夜中にこっそりとたくさんの穀物を弟の倉庫に運びました。
翌朝兄は自分の倉庫に行ってみると、前の日と同じ量の穀物が積まれていることに気づきました。
あれ？おかしいなんでこんなに多いんだろう？
兄弟はそれぞれ同じように思いながら、夜になるとまた相手の倉庫に穀物を運び始めまし
た。そうこうしているうちに、彼らは途中で出くわしました。兄弟はそこで初めて穀物が減らない理由が分かりました。
2人は穀物を下ろして抱き合いの涙を流しました。
兄弟が出くわしたその場所は今でも「エルサレムで最も高貴な場所」と呼ばれています。
どうして兄も弟もこっそりと穀物を運んだのでしょう？
エルサレムで最も高貴な場所と呼ぶほど兄弟愛を尊く考えるのはなぜでしょう？
弟と兄のどちらが先に倉庫の中から穀物を運び出したのかの順番が気になるし、毎回この順番は入れ替わらなかったのだろうか？
相手を思いやる気持ちが大事ということがよくわかる。同じ環境で育った兄弟は似た考え方を持つようになるのかな？
