Actions speak louder than words.

行動は言葉よりも雄弁

【日本の昔話】わらしべ長者

昔々、何をやってもうまくいかず、右に見放された貧しい男がいました。

男は、通りかかった観音様に自分の命と引き換えでもいいから「運を授けてほしい」とお願いをしました。
すると観音様は、こう言いました。

「御堂出たときにお前は転ぶ。そのとき何かを手にする。その手にしたものを大事にしなさい。そして、西の方角へ向かうのだ。」

観音様からのお言葉に、男は半信半疑でした。しかし、男はお堂を出ると、すってんころりん、本当に転んでしまいました。

そして、手には1本のわらしべを掴んでいました。その1本のわらしべを手にして、男は西へ歩いていくことにしました。

すると、道で赤ちゃんをおぶったお母さんに出会いました。その赤ちゃんは、大泣きしておりお母さんはとても困った様子でした。男が、手に持っていたわらしべにハエをつけて見せると、赤ちゃんは泣き止みました。

赤ちゃんにわらしべをあげた男は、その子のお母さんからお礼にとみかんを3つ貰いました。

男は再び西に向かって歩き進めました。すると今度は、お付きの者を連れた具合の悪そうな娘さんに出会いました。お付きの者は娘さんに水を飲ませたいと男に話しました。そこで男は水の代わりにお礼にもらったみかんを差し出しました。

すると、その娘さんは回復し、男はお礼にと絹の反物を貰いました。

 

男はどんどんものが変わっていくことが楽しくなってきました。足取り軽くさらに西へと進んでいきました。

しかしその道中…

今度は強引な男に出会い、持っていた高級な反物を、弱って倒れている馬と無理矢理取りかえられてしまいました。

「あ…やっぱり自分には運がないんだ…」

悲しい気持ちになった男でしたが、もともと優しい性格だったため弱って倒れていた馬を、一晩中介抱してあげました。
翌朝には、馬は元気になり城下町まで一緒に歩いていきました。

男は城下町で、馬の餌を探していると、男の馬があまりにも立派だと言うことで城下町に住む長者が、自分に馬を譲ってくれと頼みました。

長者は1000両で馬を譲ってほしいと言いました。これには男もびっくり仰天!

お金とは縁のない人生を送ってきた男にとって、1000両という金額は想像もつかないほどの大金でした。

あまりにも驚いた男は、気を失ってしまいました。その後、目が覚めた男はさらに驚きました。

男を看病していたのは、昨日みかんをあげた娘さんだったのです。娘さんは長者の娘でした。

長者は娘を助けてくれた誠実な男に、「婿になってほしい」と申し出て、娘さんもうれしそうに横で微笑みました。

長者の娘と結婚した男は、晩年には町を裕福にし、自分も裕福の長者になりました。

男は生涯、あの観音様への感謝を忘れることなく、人々から「わらしべ長者」と慕われる、人徳のある人になったとのことです。

 

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