成長マインドセット 心のブレーキの外し方
著者:吉田行宏
あらすじ
成長したいサラリーマンが、あるカフェに入りカフェのマスターに相談することで、実体験に基づいて、成長について実践しながら理解していく話。
「成長とは自身のアイスバーグ(氷山)を大きくすること」である。
今の自分自身の目に見える実力や結果を「成果」とすると、その成果を達成するにあたり、目に見えていない部分(能力・スキル・ふるまい・習慣・行動・意識・想い・人生哲学)が土台となっている。
このピラミッドの大きさを大きくすることが成長であり、ピラミッドを大きくするにはバランスよく学ばないといけない。
スキルだけではダメで、意識や習慣などの人生の基礎となる部分を見直し、学んでいかないと大きな成果は得られないということ。
●成長を阻害する悩みブレーキを減らす5つの方法
- ブレーキの存在を知る
悩みがあり、ブレーキを踏んでいるという認識することが第一歩である。
- ブレーキを踏まない覚悟をする
「もう悩まない」という覚悟をする。「一生、悩まない」は難しいので、2年などの達成しやすい期限を設ける。
- 他責にしないのは100%
何かあった場合、他者責任で片づけるのは簡単で自分は傷つかない。しかし、根本的な解決に至らずまた再発することが考えられる。
そこで、「原因自分論」で、考えるとものごとの解決が早く、再発しない仕組みづくりができる。これを「当事者意識」という。
- 結果は選択できないが、行動は選択できる
選べない結果に悩むというのは自分のコントロールできる範囲を超えたもの。悩んでも意味がない。しかし、「最大の努力」をするという行動は選べる。残念な結果になったとしても「最大の努力」をしたスキルとうまくできなかった反省・検証という大きなデータが残り、今後の自分の経験という成果につながる。
- 関心の輪、影響の輪
影響の輪とは、自分でコントロールできるもの(自分の思考・行動)。
関心の輪とは、自分のコントロール外のもの(他人の思考・行動、政治、過去の失敗、将来の不安)。
「関心の輪」に執着してもどうにもならないから、「影響の輪」で自分でどうにかできることに注力した方が実になる。
●大きな子どもブレーキを外す方法
アイスバーグの成長を阻害するブレーキは「悩みブレーキ」だけではない。もう一つのブレーキの名は「大きな子どもブレーキ」。
- 自己中心的
- 他者を理解しない
- 好ましくないプライド、執着
- トラウマに影響され過ぎている
- 正しい軸がない
世の中の人は大なり小なり「大きな子どもブレーキ」を持っている。いつもは表に出してはいないけど、つい何かのはずみで出てしまうことがある。出てしまうと怒り、恐れ、見栄、妬み、自己顕示などの負の感情に振り回されてしまう。
負の感情に支配された人は全体視点で考えられず正しい判断や行動ができない上に、リーダーであれば部下がついてこなくなる。
- 自分の中に大きな子どもの存在があることを認識する
- その大きな子どもを育てて大きな大人にする認識を持つ
素直に事実を受け入れ、少しずつ改善していくことで大人の認識に近づく。
●成長を促進する1つめのアクセルは、自分理念・自分軸アクセル
自分のアイスバーグを成長させるためにアクセルを踏む必要がある。それには自分軸が必要である。
自分軸とは
- 自分人生の哲学
- ミッション(役割・使命・任務)
- ビジョン(理想像・未来像・展望・見通し)
- バリュー(価値・値打ち)
自分軸の成長に不可欠なのは「自分を支えてくれる言葉や考え方」である。時期や目標の高さに応じてハードルも上げていく。
- 今の自分の状況 (担当している職務に全力投球できているか)
- 将来的にどのように自分は変わりたいか(出世する、起業する、など)
- 自分のポリシー・影響を受けた言葉 (道は開ける、など)
●成長を促進する2つめのアクセルは、正しく強い動機アクセル
自分理念・自分軸アクセルで成長の方向性が定まったら、その方向性に向かってアクセルを踏み込んでいきたい。それには機が必要である。動機付けの目標が明確であればあるほどモチベーションが上がり成長が加速する。
読んだ感想
アイスバーグ理論というものを人から教わって、調べていく中でこの本を知った。
カフェのマスターがその人のレベル、悩みの内容に合った課題を出してくれて、考える問題・ワークがあり、読みながら自分も一緒に考えられるのでこういった形の本はおもしろいなと思った。
「完璧な理解より、実践が大事」という言葉が、今の自分の働き方、趣味への時間の使い方に合っている。インプットだけではなく、アウトプットすることで理解が深まる。まず、実践して、その経験の上で次の話に進むということ。何かをしたことによる相手の反応、自分の気づきから得られるものもあるし、そこからさらに考えて次につなげていく。
マスターが大切にしている言葉がどれも納得できるし、似たような考えのもと似たような行動をしているなと思うので、読んでみてすーっと受け入れられるものが多かったのだと思う。いろんな図やイラストを使って説明されていて、わかりやすく理解しやすかった。