Actions speak louder than words.

行動は言葉よりも雄弁

【タルムード】金の冠をかぶったスズメ

内容

ソロモン王はとても有能な人物です。ある日、ソロモン王は鷲に乗って空の散歩をしていました。散歩中に大きな嵐に見舞われ、鷲の背中から投げ出されてしまいました。そのとき何百羽というスズメが現れ、真っ逆さまに落ちるソロモン王を救いました。

ソロモン王はスズメたちにとても感謝し、お礼を送ることにしました。

「お前たちの望むものを何でも1つあげよう。みんなでよく考えるがいい。」

スズメたちは巣に帰り、どんなお礼をもらうのか話し合いを始めました。

「いつでも身を隠しておけるブドウ畑」「いつでも水がのめる池」「いつでも食べ物に困らないように野原に稲穂を蒔いてもらう」などいろんな意見が出たが、一羽のスズメが言いました。「ソロモン王と同じ金の冠をかぶって空を飛んだら格好いいだろう。」他のスズメたちもその言葉を聞いて、「そうだ、そうだ。」と言い、意見がまとまりました。

次の日、スズメたちはソロモン王のもとへ行きました。スズメたちは「お礼の品は、ソロモン王と同じ金の冠を私たち全員にくださいませ。」と伝えました。ソロモン王は、「それはあまり良い考えではないな。もう一度考え直したらどうだ?」と助言をしました。

しかし、スズメたちは「ぜひ冠をください。」と繰り返しました。それならば、とソロモン王は金の冠をスズメたち全員に与えることにしました。

 

 

ここで考えてみましょう。なぜ、ソロモン王はスズメたちに「あまり良い考えではない」と言ったのでしょう?

また、金の冠をもらうスズメたちにこの先起こるであろう事象を考えてみましょう。

 

 

次の日、空は金の冠をかぶったスズメたちで溢れかえりました。しかし今まで目もくれなかった猟師たちが、金の冠をかぶっているために、スズメを狙うようになりました。スズメたちはあっという間に猟師に撃ち落され、スズメの仲間は最後の5羽になってしまいました。

最後の5羽は命からがらソロモン王のもとへ駆けつけました。「私たちが間違っておりました。金の冠はもういりません。」とスズメたちは伝えました。それから金の冠を取り外されたスズメたちは平和を取り戻し、また何年かかけて元の数に戻ることができました。

 

己の価値を大きく見せると身を滅ぼす

豊かさはみせびらかさない。自分自身に見合った報酬と価値を考えることが、賢明な生き方である。適正な報酬を受け取ることが大事である。価値とは受け取る側によって変わるもの。

大切なのは、自分が何をしてきたのか、どういう人物なのか。

自分自身よりも、周りの人や肩書きで物事を語る人は、その人自身の信頼を得られていないのである。