内容
ある日、田舎に住んでいるネズミが、ごちそうするために、町に住むネズミを招待しました。
田舎のネズミは、小麦のクキや根っこ、どんぐりを食卓に並べました。
出された食べ物を見た町のネズミは、
「こんなものを食べながら、たいくつな生活をしているなら、僕の住んでいる町に1度おいでよ。とても刺激的で、珍しいものがたくさん食べられるよ。」と言いました。
田舎のネズミはふたつ返事で承知し、町へ向かいました。
町のネズミが住んでいる豪邸に着くと、ダイニングテーブルの上には、パンやチーズ、肉といったごちそうが並んでいました。
田舎のネズミはお礼を言い、食べようとしたその時、ネコが大声で鳴きながら、ドアをひっかく音が聞こえました。
町のネズミと田舎のネズミは大急ぎで狭い穴を見つけると、一目散に逃げ込みました。しばらく息をひそめてじっとした後、もう一度ごちそうに手を伸ばそうとすると、今度は召使いがテーブルを片付けに入ってきました。
田舎のネズミは、急いで帰り支度を整え、
「こんなにすばらしいごちそうを用意してもらって感謝していますが、危険が多くて他楽しめません。僕は落ち着いて安全な田舎での質素な暮らしの方が好きです。」
と言って、田舎へ帰っていきました。