Actions speak louder than words.

行動は言葉よりも雄弁

【タルムード】ヘブライ王の助言

内容

ある村に、毎日のように自分の不幸を嘆いている男がいた。男の言い分はこうだ。

「俺の家は狭いうえに、子どもが4人もいて、おまけに女房が太っているので自分は立って寝なければならない。ひどい話じゃないか。こんな狭い家に住む俺ほど、この世で不幸な人間はいないだろうよ。」

この不満を聞いたヘブライ王は、男にこう命令した。「お前のその狭い家の中で、鶏を10羽飼いなさい。」

王の命令に従った男はこう不満を申し立てた。「女房と子どもだけでも足の踏み場がないのに、鶏10羽をそこで飼っていたら、私はフンにまみれて寝よというのですか?前よりも不幸になりましたよ。」

これを聞いたヘブライ王はさらにこう命じた。「それでは鶏10羽に加えて、羊を10匹家の中で飼いなさい。」

王の命令だから男は従ったが、国中の人間に向かって自分は王の命令のおかげで、世界で1番不幸な目にあっていると言い回った。

しばらくしてやっと王は、「鶏10羽と羊10匹は、家の外で飼って良い。」と命令を変えてくれた。次の日、男は王のもとに感謝の品々を持って駆けつけてこう言った。

「私は大変幸せな男です。今や私の家には家内と子ども4人、広々と暮らせるようになりました。ありがとうございます。」

 

幸福と幸福感は別のもの

同じ家に住みながらさらに不満が募る体験をさせて、元の生活がどんない快適であったかを悟らせる。つまり幸福は別の角度から見れば不幸感に包まれることもあるし、不幸なことも別の角度から見れば幸福感で満たされることもあるということである。

持てないことを不満に思い、欲しがると今ある幸せには気づけない。人と何かを比べるとキリがない。