Actions speak louder than words.

行動は言葉よりも雄弁

上級ハブルータ講座まで終えての Before After

上級ハブルータ講座終了後の課題として、上級ハブルータまで終えてどう変わったかのレポートを作成した!

2022 年 6 月に初級講座、9 月に中級講座、2023 年1~3月に上級講座を受講。


1.ハブルータの質問の作り方
2.ペアハブルータまでに準備すること
3.ペアハブルータの進め方
4.ハブルータの内容のまとめ方
5.高校教育へのハブルータの取り入れ方
以上の 5 点について、ハブルータを実践してみて変わったこと、気付いたことをまとめる。


1.ハブルータの質問の作り方
 題材を読んでから質問を考えるときに、今まで以上に頭を使うようになった。頭はフル回転で、とにかくたくさんなぜと思うことを挙げてみる。題材を読んで、ひっかかること、ん?と思うことはすべて挙げて、その中からハブルータをしたい質問を厳選する。考えたものをすべてハブルータで使うわけではなく、状況やハブルータの相手によって必要なものを選ぶ。
 また、ハブルータをする相手を成長させるためにどんな総括の質問にしようか考える。題材を読んでみて自分がわからないことを相手に聞いてみることで気付くこともあるし、深く知れることもある。

 

2.ペアハブルータまでに準備すること
 バブルータに参加する人から出た質問に対する答えを考える。答えに説得力を持たせて、根拠となるように過去の体験談やエピソードを思い出す。自分をよく見せようとするのではなく、良かった話も良くなかった(教訓にしている)話も本音で素直に話す。自分の話をするということは自己開示しているので、相手も開示してくれて、ハブルータをすると相手のことをより深く知ることができるようになる。
 事前にハブルータのペアがわかっていてその相手のことを知っている場合は、さらに「この人だから聞きたいこと」を共有している質問以外にも考えておく。「なぜこの人はこの質問を作ったのだろう?」ということも考えて、この人の主張したいこと、題材から考えているテーマや問題点が何なのかを考えて、それに対してハブルータで話す内容をあらかじめ考えておく。これを考えておくと、時間が足りなくなりそうなときや、質問を選んでハブルータをするときには、この質問に集中して話すことができる。
 私はハブルータをした内容を後日まとめることを習慣にしているので、質問と自分の考えを先にノートに書いておき、相手の考えたことや気付いたことをハブルータ中にどんどん書き込めるように、書き込めるスペースを空けておく。

 

3.ペアハブルータの進め方
 人の意見を否定しない批判しない環境を作る。これはブレインストーミングのルールにもあるように、人が意見やアイデアを話すときにはとても有効だと実際に実践してみて感じる。意見を言いやすい雰囲気を作れるように意識する。
 笑顔でうなずきながら聴く。7つの習慣のハブルータをしたときに学んだことで、自分の言葉で言い換えられるように聴くことが大事。テキトーな相槌をうつだけの反応とは頭を使う量が全く違うことが実践してみてわかった。
 ハブルータする中で、もっと知りたいと思うことを、詳しく教えてもらうように話を広げる。自分はその話のどの部分に関心があり、何を知りたいと思うのかを自分で説明できるようになるにも練習が必要だと感じた。「これを聞いても良いのかな・・・」とハブルータをしながら考えてしまうと、本質の部分を深く考えられない。「なぜ?」と思うことは聞いた方が自分のためになることが多い。


4.ハブルータの内容のまとめ方
 大学のゼミでマインドマップの描き方を学んでから、講座を受けた時や本を読んだ時にはマインドマップでまとめる習慣があるため、初級講座を受講したときから、ハブルータの内容はマインドマップにまとめておきたいと思い描き溜めている。セントラルイメージでそのときのハブルータのイメージをしっかり残すことで、後で見返してもそのときのハブルータの内容が蘇る。
 そもそも題材を読んだ後に質問を考えるときもマインドマップで描き広げて質問のアイデアを広げるようにも使っている。マインドマップは想像力を使ってアイデアを出すことにも、内容を記憶するためにも使えるのでハブルータの準備とまとめのどちらにも使える。ただ、描き方のルールの1つである「1ブランチに1キーワード」に従って描くことが結構難しい。文章にならないように、キーワードで残せるように毎回苦戦しながら改良を続けている。
 ハブルータの内容が頭に残っているうちに描くこと目標にして、1 週間以内に、できれば次の日には描こうと意識している。

 

5.高校教育へのハブルータの取り入れ方
 高校で数学と情報を教えていて、答えが1つである数学や効率の良さを求めていく情報を扱っている。プログラミング教育が導入され論理的思考力を鍛えることに関心があり、「なぜなのか?」と考える習慣を生徒にもつけさせたいと思い、生徒への発問をどのように工夫できるか模索している。
 あるとき知人からタルムードを教えてもらい、『難破船と 3 人の乗客』の話を聞き、3人の乗客の結末を知る前に、「あなただったらこの3人の乗客のうち誰に近い行動をとるか?」と問われ、このタルムードという小話について考えるのはおもしろいと感じ、高校生にも教えたい伝えたい内容だと思った。他のタルムードの話をネットで調べ、タルムードの『魔法のザクロ』の話をクラスの HR で生徒に向けて話して、「姫は 3 兄弟の誰を選んだだろうか?」という質問をして生徒に考えさせた。そのときはそれだけしかできなかったが、このような(タルムードのような)題材をどのように扱ったら良いのだろうと考え、調べていくうちにハブルータ研究会の HP にたどりつき講座があることを知った。
 上級講座で、自分で題材を選び進行やまとめまでをすべて自分で行える機会があったので、自分がハブルータを学ぶ目的でもある、高校生にどのように考えさせるかの第1歩として、生徒にも同じ題材を読ませることにした。題材は生徒に教えたいこと、伝えたいことが内容になっているものを題材にしたいのでタルムードを選んだ。『父への愛は塩の味』で生徒に聞いてみたいことは「あなたはこの姫に憧れますか?」。題材と私があらかじめ考えた質問(8 問くらい)をプリントにしたものを生徒に配布し、読ませて質問の内容に対する答えを考えさせ、質問の答えをプリントに書き込ませた。
 その後、卒業発表会で再び自分で題材を選び進行できる機会があったので、また別の生徒にタルムードの『2ズウォティのモイシェ』を読ませることにした。今度は題材もあまり長くないもので、聞きたいことは「あなたはこの主人のもとで働きたいですか?」として、他にもいくつか質問を用意してプリントに書き込ませた。生徒が自分の答えを書き終わったころに、「他の人はどのように考えたのか、自分と同じなのか、それとも違う考えがあるのか、を知るために、ペアになって1つずつ質問の答えをどのように考えたか話してみましょう。」と 15~20 分くらいペアハブルータのようなものをやらせることができた。なぜあなたはそう考えたのか?など深めることはまだほとんどできていなかったが、新たな考えを発見できた生徒が多かった。いきなり大人数で取り組ませたので、ペア数が多くなり、ペアでの話し合いでどのように進めていくかの指導がまだできなかった。クラブ活動のような少人数からやってみたら、ペアでの進め方も指導できそうだと思う。
 授業1コマを使って、小中学校のような道徳の授業をすることができれば良いが、高校には道徳の授業はないので、HR の時間を使って少しずつ扱っている。教科の授業における発問にも生かせることはあり、生徒がどのように考えているのかを知ると、生徒理解にもつながることがある。生徒との面談での聞き方、生徒からの答えをどうやって深めて詳しく聞くか、などハブルータの経験を生かせる場面はあると実感している。

 

 

 ハブルータは経験を積めば積むほどおもしろくなり、人生が豊かになると実感できた。自分はハブルータをしてどうなりたいのか、なぜハブルータをするのか、ということをさらに意識して、ハブルータを実践し、活用し、広めていきたい。