内容
ある暖かい春の日でした。1人の老人が自分の家の庭に、小さな木を植えていました。
偶然、その場所に通りかかった若者が、老人にたずねました。
「おじいさん、その木はどれくらい経ったら実をつけるほど大きくなりますか?」
老人は一生懸命、穴を掘りながら答えます。
「そうだな~。たぶん70年くらい経ったら実を結ぶだろうね。」
若者はびっくりしてもう一度たずねました。
「70年ですって?ではおじいさんは、その実を食べることもできないでしょう?!」
おじいさんはにっこり笑って、こう答えました。
「若者よ。私が生まれた時に、我が家の庭には果物の木がたくさんあったんだ。もちろん美味しい実がついていたよ。その木は私のおじいさんのおじいさんが植えたものだった。その方がもし、リンゴや柿、栗の木を植えていなかったら、私はその実を食べて大きくなることはできなかっただろう。」
若者は、やっとその言葉の意味を理解して頷きました。
「そうですか。おじいさんは自分が食べるためでなく、子どもや孫たちのために気を植えていたんですね!」
老人は丁寧に気を植えた後に、若者にこう言いました。
「若者よ。あなたが今こうして楽に暮らしているのも、すべて先に生きた誰かが、残してくれた何かのおかげなんだよ。」
言葉を終えた老人は、今植えたばかりの木の周りに柵をつけました。そして春の陽をあびながら、目をつむりました。老人はとても幸福そうでした。
自分のためだけでなく、子孫のためにできること
これは今度ハブルータ研究会の人とハブルータをしてもらえることになったから、そのあとにハブルータの内容をまとめる予定。