Actions speak louder than words.

行動は言葉よりも雄弁

【タルムード】グルメは死罪だ

内容

モーセに連れられてユダヤ人がエジプトから脱出したのは、約束の地カナンに入って良い暮らしをするためのはずだった。それが40年もの間、砂漠の中でさまよい、死ぬほど苦労している。こんな苦痛を味わうためにエジプトを出たのではない、とユダヤ人たちは神に文句を言いだした。

「神様、勘弁してください。40年近くも砂漠を彷徨っています。その間、水と食べ物だけは神様からもらいましたが、いつも同じ食べ物ばかりじゃないですか。マナという食べても味が変わらないものばかり食べています。あぁ、肉が食べたい。魚が食べたい。おいしいものが食べたい。ワインが飲みたい。やわらかいパンが食べたい。何とかしてください。」

ユダヤ人の指導者モーセはこれを聞いて青くなった。「これは、神がお怒りになるぞ。このユダヤ人どもは大変なことを言っている。」と思ったのだが、時すでに遅しで、この文句を聞いた神様は烈火のごとく怒った。

「なんだと、このユダヤ人ども。食事に関して文句を言うのか。ぜいたくな食事がしたいだと!ふざけるんじゃない。」

そう言うと神は、史上最強の毒をもつ毒蛇を何匹もユダヤ人の群れに放った。毒蛇は食事に文句を言っていたユダヤ人に嚙みついた。何十、何百人というユダヤ人が毒蛇に噛まれて即死した。これを見ていた生き残ったユダヤ人たちが、モーセに懇願した。

「私たちが悪かった。食事に文句をつけて悪かった。生きながらえるだけでありがたいのに、いつもいつも同じ食事だと文句を言ってしまった。私たちは大変な罪を犯した。モーセさんなんとか助けてください。」

そこでモーセが神にとりなしたところ、「わかった」と神は言い、モーセユダヤ人たちに次のような指示を出した。

「銅を使って毒蛇の形を作れ。噛まれた者はその銅で作った毒蛇に向き合え。そうすれば命を生きながらえるだろう。ただし、その毒蛇は、高いポールの先に置け。見上げるように置くのだ。」

 

長い目で健康を考えると、質素な食事が1番なのかもしれない

文句を言うユダヤ人に神の存在を教えるために偶像を作らせ、「祈れ」ではなく「見上げろ」と命じたのである。上を見上げた先に神がいることをもう一度思い知れということ。

良い食事を毎日のように食べると、はじめは幸せを感じるが、慣れてくると幸せを感じにくくなる。肥満にもなりやすい。グルメに走るものは神への感謝を忘れるものなのである。